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PROJECT 01

千葉パイプラインプロジェクト

製油所同士を“つなぐ”巨大工事

MISSION

二つの異なる製油所を統合しようというプロジェクトが始まったのは、2014年のこと。コスモ石油とJXTGエネルギー(※)の製油所間をパイプラインでつなぎ、生産力の向上を実現しようとする一大プロジェクトだ。前例のない大規模なプロジェクトに対し、コスモ石油の平塚智也はどう挑んだのか。
※当時、極東石油合同会社。2015年7月に東燃ゼネラル石油、2017年4月にJXTGエネルギー

平塚 智也

コスモ石油(株) 製造ユニット
千葉製油所 リニューアル推進室

2008年入社。環境情報学府 環境リスクマネジメント専攻 修了。入社後は千葉製油所の収益の源泉である流動接触分解装置(FCC装置)の運転管理や改造を担当。2012年には、震災で被災した球形タンク群の復旧プロジェクトに携わり、2013年から技術課で近隣会社との調整窓口に。そして2014年から、現在の千葉パイプラインプロジェクトに参画。

製油所間をパイプラインでつなぐ、
大規模プロジェクトが始動

2014年、コスモ石油は千葉製油所の生産力向上を図り、JXTGエネルギーとの提携に乗り出した。これは、両社の製油所間にトンネルをつくり、パイプラインを敷設して、それを介して装置原料や製品・半製品の融通を行い、両社での一体運営を実現しようとする「千葉パイプラインプロジェクト」だ。

平塚「プロジェクトにおいては、トンネルとパイプラインを建設するほか、コスモ石油千葉製油所内の配管やポンプなどのオフサイト設備の改造、影響するオンサイトの装置の改造までを行います。また、JXTGエネルギーとの共同事業が開始した後は、パイプラインの使用によって装置の運用方法も変わるため、その運用検討も行わねばなりません」

そもそも、なぜ製油所同士が連携することが、生産力の向上につながるのか。平塚は次のように説明する。

平塚「それぞれの製油所には特色があります。パイプラインは補完する術の一つです。たとえば、コスモ石油には二基の重油直接脱硫装置がありますが、JXTGエネルギーにはありません。一方、JXTGエネルギーは、コスモ石油にはない残油流動接触分解装置(RFCC)を持っています。お互いで油を融通し合うことで、より効率のよい生産が可能になります。国内ではほぼ例がない取り組みでした」

震災時のプロジェクト経験を買われ、
新たな挑戦へ

プロジェクトメンバーは、プロジェクトマネージャーのほか、メカニカル担当とプロセス担当に分かれる。メカニカル担当とは、工事の精査や現場管理を行う役割で、配管、回転機、電気、計装などの専門知識を持った人間が集まる。一方、プロセス担当は工事仕様のもとになるプロセス設計のほか、工事を行ううえで必要なあらゆる業務を行う。たとえば、補助金の対応や予算管理、施工会社への見積もり依頼、生産計画の調整の提言など、社内外の調整業務が多い。平塚はこのプロセス担当にあたる。

平塚「実は以前にも、私は別のプロジェクトに参画したことがありました。2011年の震災で被災した千葉製油所の球形タンク群の復旧プロジェクトです」

当時、平塚は球形タンクと付属設備の設置検討において、近隣会社向けポンプの復旧を担当し、近隣会社とのプロセス設計や官庁への申請、試運転、近隣会社との契約などを行い、プロジェクトを完遂させた。

平塚「プロジェクトでは、ケースバイケースで柔軟に動くことが求められます。また、間違った方向に進まないよう、いろいろな人の意見を確認しながら着実に進めていくことも重要です。プロジェクトにおいては、一つの大きなゴールに向かって多くの人たちが動きます。未知の事態に遭遇することも多く、通常の業務と異なる姿勢が必要とされますが、私は一度別のプロジェクトを経験していたことで、今回のプロジェクトにおいても過去の経験を活かせるだろう、という自信がありました」

わずかな期間で、いかに工事を問題なく
完工させるか

まずプロジェクトは、敷設する配管の数や融通する油種を決定するフェーズから始まった。実現性検討・基本設計や予算の確定、補助金の申請、工事施工会社の選定など、一つひとつのステップにおいて、プロジェクトメンバーたちは調整と判断を行っていく。

平塚「プロジェクトの工事箇所は所外に及んでおり、かつ広範囲でした。予算管理や工事手続きでの社内調整や施工会社との調整、そしてJXTGエネルギーや近隣会社、官庁といった社外の対応など、業務は多岐にわたりました」

いかに調整が難しいかは、実際の工事をイメージしてみると容易に理解できる。製油所内の装置は原則として24時間365日稼働を続けているが、定期整備の期間だけは運転を止める。たとえば、流動接触分解装置(FCC)の場合、定期整備の期間は2年間で40日程度。その間に工事を終えなければならないのだ。しかも、さまざまな場所で、異なる工事が並行して動いている。慎重にパズルを組み立てるような、緻密な調整が必要だ。当然、すべての工事が順調に進むわけではない。トンネルを掘っていると障害物にぶつかるなど、むしろ問題が起きないことの方が珍しい。その度に、また調整が必要とされる。

平塚「ほとんど毎日、所内外では何かしらの工事が行われています。検査の直前には、工事が夜中にまで及ぶことも。業務以外の時間も、現場で問題が起きていないだろうかと、不安で仕方がありませんでしたね」

本当に100%の答えなのかと、
常に自分に問いかける

前例のない大規模なプロジェクトに携わり、不安と責任に押しつぶされそうになりながらも、物事を一つずつ進めていく。何が平塚たちを支えていたのか。

平塚「みんなでつくりあげている、という事実です。プロジェクトメンバーも、工事に関わる方々も、全員が一つのゴールに向かって努力しています。絶対に投げ出すわけにはいきません」

今、建設した新しい設備は、これから30年、40年と使い続けていくものになる。そして、その先には、エネルギーを必要とする企業や人々の暮らしがある。もしも、建設した設備にほんの少しでも不安事項があれば、後々重大な事故や不具合につながらないとも限らない。

平塚「今、この場で問題の芽は摘み取っておかなければならない。プロジェクトに関わる私たちには、その責任があります。工期が大切であることはもちろんですが、それ以上に自分自身が納得できる答えを見出すことも重要です。何か答えを導く際には、常に自分自身に対して、“これは100%の答えか?”と問いかけるようにしています」

現在、千葉パイプラインプロジェクトは完成を間近に控え、佳境に入っている。しかし、プロジェクトのピークにいるはずの平塚の表情は、強張っているどころか、楽しそうにさえ見える。

平塚「プロジェクトの成否もそうですが、何よりもみんなで関わったものが完成すること自体が、今から楽しみです」