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プレスリリース

千葉製油所火災爆発事故の概要・事故原因及び再発防止策等について

2011年8月2日
コスモ石油株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報室

コスモ石油株式会社(本社:東京都港区、資本金:1,072億円、代表取締役社長:木村彌一)千葉製油所で発生した火災爆発事故につきましては、地域の皆様を始め、関係する多くの方々に多大なご迷惑とご心配をおかけしました事を深くお詫び申し上げます。この度、事故調査委員会において事故状況・事故原因及び再発防止策等を取りまとめましたのでご報告致します。

  1. 事故概要
    1) 3月11日に発生した火災爆発事故の状況(事実の経緯)は以下の通りです。
    • 14時46分に震度5弱の東北地方太平洋沖地震が発生
    • 満水状態(*1)の364番タンク(*2)(通常は液化石油ガス(以下、LPG)を貯蔵)の支柱筋交いの多くが破断(*3)しました。
    • 15時15分に震度4の茨城県沖地震が発生
    • 筋交いが破断したLPG364番タンクの支柱が座屈し、LPGタンク本体が倒壊した事により、近接する複数の配管が破断し、LPGが漏洩しました。
    • 漏洩、拡散したLPGに着火し、LPG364番タンク付近(*4)で火災が発生しました。
    • 火災の影響によりLPG364番タンクに隣接するLPGタンクが爆発し、延焼しました。
    • 延焼した事により、付近の複数のLPGタンクが爆発し、火災が拡大しました。
    • 火災発生当初から継続した防消火活動を実施し、3月21日10時10分に鎮火しました。

    (*1) 震災当時、LPG364番タンクは開放検査中であり、タンク内の空気を除去する為に水を
    注入していました。

    2) 主な被害状況
    1. 人的被害:
    負傷者6名(重傷者 1名、軽傷者 5名)
    2. 物的被害:
    発災箇所に設置してある全LPGタンク(17基)、及び周辺配管・道路が損傷。
    隣接するアスファルトタンクが損傷し、アスファルトが漏洩
    (5月10日に回収完了)。
    爆発による飛散物・爆風等の影響により丸善石油化学株式会社様及びチッソ石油化学株式会社様の構内で火災が発生し、近隣の車両・船舶・建屋のガラス等を汚損・破損。
    居住地区等においては、爆風による窓ガラス・シャッター・スレート等への破損及び保温材等の軽量飛散物による車両の汚損が発生。
    3. 環境被害:
    LPGは火災等の影響により被災エリアのLPG全量が燃焼し、漏洩したアスファルトも回収が完了しており、大気・水域・土壌への影響は確認されていない。
    (*2)タンクレイアウト図
    図:(*2)タンクレイアウトと写真の(*4)撮影方向
    図:(*3)破断した筋交い
    (*3)LPGタンクの筋交いが破断
    写真:364番タンク付近で火災が発生
    (*4)拡散したLPGに着火。場所は「(*2)タンクレイアウト」参照。


  2. 発生した事象の原因及び再発防止策
    (1)LPGタンクの支柱筋交いの多くが破断し、LPGタンクの支柱が座屈・倒壊した事について

    倒壊したLPG364番タンクは耐震基準を満たしていましたが、内容物が軽量のLPGではなく、水が注入され満水状態であった事から東北地方太平洋沖地震にて支柱の筋交い部分に荷重が作用し、筋交いが破断、茨城県沖地震により LPG364番タンクが倒壊しました。 LPGタンクを満水にすることは開放検査のための一時的な措置であるものの、その間に地震が発生した場合の潜在リスクに係る認識が不十分でした。

    今後水張り作業を行う場合は、満水期間の最短化を図ります。また、新設LPGタンクについては満水時を考慮した対策を実施し、既存のLPGタンク設備についても評価を行ない、補強策を実施します。また、満水状態にする時は、万が一タンクが倒壊しても当該LPGタンク付近の配管・設備等が破損し、LPGの漏洩が発生しないよう、配管・設備等の保護、縁切り、切り離し等を行います。

    (2)LPGの漏洩について

    地震によりLPGタンク及び配管が揺れ動いた事とLPGタンクが倒壊した事により、配管が破断しLPGが漏洩したと考えられます。3箇所から漏洩が継続していたと推定しており、その内1箇所の破断した配管に繋がる緊急遮断弁(*5)を開状態で固定していました。これは、地震発生前に緊急遮断弁を開閉するため供給されている空気配管で微量の漏洩が確認され、補修を行うまでの間、空気圧力が低下した場合に緊急遮断弁が閉止する事を避けるための措置であり、緊急時は現場で開状態の固定を解除する運用としていましたが、当日はLPG漏洩により、現場に近づいて解除する事が出来ませんでした。

    今後は新規にLPGタンク周りの配管設計を行う際には、適切な可とう性(*6)等を持たせた配管構造とします。また、緊急遮断弁を開状態で固定する措置は今後一切行わないものとします。

    (*5)緊急遮断弁とは、LPGが漏洩したときに安全に、かつ、速やかに遮断するための措置として設置されている弁のことをいう。

    (*6)可とう性とは、たわみ等で変位を吸収する構造のことをいう。

    (3)着火源及び爆発・延焼について

    着火源となる対象について調査を行いましたが特定には至りませんでした。

    周囲のLPGタンクに対して散水による冷却を継続していましたが、LPG364番タンク付近で発生した火災の勢いが強くなり、隣接するLPGタンク本体の表面温度上昇により強度が低下し、内圧に耐えられず爆発し、延焼したものと推定しています。

  3. 安全管理体制について

    今までの安全管理体制再構築の活動は、発生した事象への対応や、過去の経験事例に学び不具合を未然に防止する取り組みを主としていました。また、工事申請、設備基準及び通報に関しても法令遵守を徹底してまいりました。しかしながら今回のような震災等の緊急・異常時に備えた対応は十分とは言えず、また、緊急遮断弁を開状態で固定するなどの運転措置、あるいはLPGタンクへの水張りなどの作業工程について、その法令とその背景にある潜在リスクの確認が十分ではありませんでした。

    今後これら問題点を解決する体制を構築していくために、次の主な活動を実施して参ります。

    (1)安全総点検活動

    高圧ガス保安法、消防法及び石油コンビナート等災害防止法に基づく予防規程等について、製油所長を筆頭とした管理者層も含め所内全員への浸透を徹底し、役割、責任及び権限を認識し、確実に実践する事とします。現場の一人ひとりが安全装置に関するチェックリストを用いて自らの作業を点検し、相互に確認することで、法令や社内安全基準の理解を深めるとともに、その背景にある潜在リスクを正しく認識します。管理者自らもチェックリストの内容を理解し、現場に入って点検内容を確認するなど現場と一体となって活動します。

    (2)緊急異常時の対応能力向上

    当社及び千葉製油所で取り組んできた活動に加え、製油所全体で大規模災害を想定した訓練を継続して実施し、緊急時対応の意識向上を図ります。大規模災害発生の想定訓練時は部署間の連携を再点検し、都度マニュアルをより実効度の高いものに改善します。また、危険予知活動を活性化させ、リスク想定能力の向上を図り、製油所内において継続した技術の伝承を行います。

    (3)再発防止策の進捗管理および水平展開

    上記活動の進捗状況を千葉製油所自らがチェックすると共に、本社及び他製油所による監査を実施して確実に実行します。本社主管部署が保安管理・保全管理・運転管理に関する確認を行い、社長直轄の監査室が確認内容を監査し、その実効度を経営層に報告し、実効度が不十分な場合、改善及び是正を行います。継続的な再発防止策の進捗確認を行うため、社内監査を実施します。

    再発防止策を実行する際に抽出された改善点は他製油所への展開を行い、全社で安全レベルの向上を図ります。
    図

以上
本文ここまで

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