5【経営上の重要な契約等】

(1)当社は、激化する競争に対処するため、企業の枠組みを超えた効率化を目指して、平成11年10月12日付けで日石三菱梶i現 新日本石油梶jとの間で、原油調達・精製・物流及び潤滑油の各分野に関して、業務提携に関する基本協定を締結しました。

(2)昭和42年12月6日、アブダビ首長国政府と大協石油梶E丸善石油且ミ及び日本鉱業鰍ヘ利権協定及び事業協定を締結しました。連結子会社であるアブダビ石油鰍ヘ、昭和43年2月1日、上記利権及び事業権を譲り受け、利権地域であるアブダビ海域に於いて石油の深鉱・採掘・貯蔵・輸送及び販売を行っています。

 

6【研究開発活動】

 当グループの研究開発活動は、当社、連結子会社コスモ石油ルブリカンツ梶A潟Rスモ石油技術研究所及びコスモエンジニアリング鰍ナ実施しております。当社及び潟Rスモ石油技術研究所は、石油製品・石油精製プロセス触媒の研究、新エネルギーや環境対応技術の研究を行っております。コスモ石油ルブリカンツ鰍ナは、環境対応技術確立の為の研究に取り組むとともに、消費者のニーズに応える潤滑油関係の商品開発等を行っております。また、コスモエンジニアリング鰍ノおいて、排ガス回収分解設備等、環境問題対策技術の開発を行っております。この結果、当グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は3,558百万円であります。

 以下に主要な研究概要を事業別に記載いたします。

(1)石油事業

 当社及び潟Rスモ石油技術研究所においては、石油製品/精製技術分野において、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)−PEC(石油産業活性化センター)のプロジェクトに参画し、市販触媒に比較し格段に高活性で、サルファーフリー軽油(硫黄分10ppm以下)の製造が可能な軽油脱硫触媒を開発しました。本触媒を平成16年5月に当社製油所装置に充填し、実用性能の検証を行っていきます。

 新エネルギー分野では、石油公団の特別研究に参画し、硫黄や芳香族分を含まないクリーンな灯軽油等の液体燃料を製造するGTL(Gas to Liquid)技術に独自の触媒を適用し、北海道苫小牧市勇払のパイロットプラントで実証試験を実施するとともに、GTL油の商品性評価を開始しました。

 環境対応技術分野では、当社製油所において、排水処理施設で生じる余剰汚泥を削減する本格運転を開始し、産業廃棄物である余剰汚泥の大幅削減を達成するとともに、コスモエンジニアリング鰍ヨライセンス供与し、社外販売を開始しました。また、イムノアッセイ法によりダイオキシンを簡易に測定できる試薬キット「イムノエコDXN」を開発し、平成14年12月より試験販売を開始しております。更に、当社が開発した低コスト製造法によるALA(5−アミノレブリン酸)の農業用途に関しては、平成15年6月に叶ス和と販売契約を締結し、世界初のALA入りの新機能性肥料「ペンタキープV」の本格販売を開始しました。

 コスモ石油ルブリカンツ鰹、品研究所においては、主に環境対応の為の研究開発に取り組んでおり、これまで非塩素系潤滑油、生分解性潤滑油、食品機械用潤滑油及びCNG専用油等を商品化してまいりました。平成15年10月より実施されたディーゼル車の新短期規制及びNOx・PM法では、ディーゼル車にDPFや酸化触媒等の後処理装置が必要となり、DPF装着車(トラック・バス)向けエンジン油「コスモECOディーゼル快星」を開発し、商品化いたしました。さらに、省燃費・省資源技術確立の為の研究に取り組むとともに、生産コスト削減等一層の合理化の為の研究も展開しております。

 なお、石油事業における研究開発費の金額は、3,496百万円です。

 

(2)その他の事業

 コスモエンジニアリング鰍ナは、有機系排水処理設備の余剰汚泥減容化システム、真空脱気の脱酸素技術をベースにした薬品注入不要の小型ボイラー用水処理設備を開発して事業展開、用途開発に取り組んでおります。また、揮発性有機化合物回収、配管ライニングの技術開発も引続き実施しております。

 なお、その他の事業における研究開発費の金額は、62百万円です。

 

7【財政状態及び経営成績の分析】

(1)業績

 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成16年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。

 当年度の世界経済は、イラク戦争やSARSの流行などにより、不透明感を払拭できずスタートしました。4−6月期はアジアにおいてSARSによる一時的景気減退の動きもありましたが、7月以降、世界の景気は概ね好調に推移致しました。

 わが国の経済状況は、デフレの克服までには至りませんでしたが、中国の持続的経済成長や米国の景気回復に支えられ、好調な輸出・企業業績の改善・設備投資の増加に加え、個人消費や雇用情勢にも明るさが見られ、総じて緩やかな成長を続けました。

 原油価格は、期初において1バーレル23ドル台であったドバイ原油が、その後のOPECの減産実施や世界経済の好転、米国の石油製品在庫が低水準で推移したことなどにより期を通じて上昇基調となり、期末には30ドル台となりイラク戦争開戦時を上回る価格水準となりました。

 また、為替相場は、期初に1ドル121円台をつけ、8月まで比較的小幅な動きで推移したものの、本邦通貨当局の為替介入が手控えられた9月末には1ドル110円台まで急騰しました。その後、米国の貿易赤字が拡大していることに加え、中東を中心としたテロの多発、また、日本経済の民需中心の緩やかな回復見込みなどが円買い材料となり、期末最終日には3年ぶりの103円台となりました。

 このような経営環境の下、当社グループは、「連結中期(3ヵ年)経営計画」の初年度目標を達成するため、上流から下流まで全般にわたり「価値創造」と「合理化」による経営体質の強化を目指し、『企業価値最大化』を追求してまいりました。

 こうした経営活動の中、連結の経営成績と致しましては、売上高は1兆9,163億円と前期比135億円の増収、経常利益は195億円となり前期比7億円の増益、当期純利益は82億円となり前期比48億円の増益となりました。

 

経営成績の分析

@ 売上高

 売上高は、前連結会計年度に比べ135億円(0.7%)増収の1兆9,163億円となりました。この内訳といたしましては、まず当社単体の売上高が前連結会計年度に比べ21億円(0.1%)の減収となりました。これは、販売価格の上昇が208億円の増収要因であったことに対し、総販売数量が前期比1.4%減少したことにより229億円の減収要因が生じたことによるものです。これに対し連結による売上高の増収額は、前連結会計年度に比べ156億円となっております。これは主に当社販売子会社のガソリン増販、及び販売価格の上昇等によるものです。

 

A 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前連結会計年度に比べ40億円(0.2%)増加し、1兆7,589億円となりました。この内訳と致しましては、まず当社単体の売上原価が前連結会計年度に比べ18億円(0.1%)のコスト減少となっております。これは、受入原価の低下で74億円のコスト減少、販売数量減少により212億円のコスト減少、在庫評価の影響で、売上原価を当期には95億円押し上げたこと、前期には173億円押し下げたことにより、差引き、268億円のコスト増加となったことによるものです。これに対し連結による売上原価のコスト増加額は、前連結会計年度に比べ58億円となっております。この主な内容は、連結処理における会計処理変更の影響が110億円のコスト減少要因となっております。結果、売上高に対する売上原価の比率は0.4ポイント減少して、91.8%となっております。

 販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ84億円(6.8%)増加し、1,322億円となりました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は、0.4ポイント増加して6.9%となりました。

 なお、会計処理の変更に伴う売上原価の減少額110億円は、同額が販売費及び一般管理費として計上されており、営業利益には影響致しておりません。また、会計処理の変更の影響を除いた前連結会計年度比の販売費及び一般管理費は、26億円(2.1%)の減少となっております。

 

B 営業利益

 上記の結果を受け、営業利益は前連結会計年度に比べ11億円(4.5%)増益の252億円となりました。この増益の内訳は、当社単体の営業利益が7億円(5.9%)の増益となっております。これは、「新中期経営計画」の遂行による145億円(合理化効果68億円、及び「価値創造」77億円)の収益改善、製品市況改善等の影響が147億円の増益がある一方で、暖冬等による販売数量減の影響が17億円の減益となっております。これらを合わせて単体の営業利益は275億円の増益となりますが、売上原価における在庫評価の影響268億円(前期173億円、当期△95億円)が減益要因として発生している為、結果7億円の増益となっております。連結による営業利益の増加額は、前連結会計年度に比べ4億円となっております。

 

C 営業外損益

 営業外損益は、前連結会計年度に比べ4億円(7.6%)の費用(純額)増となりました。受取利息から支払利息を差引いた純額は、前連結会計年度に比べ10億円(8.6%)費用減の111億円の費用(純額)となりました。これは、借入金利低下や社債の早期償還に伴う支払利息の減少によるものです。また、為替差損益は、前連結会計年度の為替差益4億円に対して、17百万円の為替差損となっております。また、持分法適用会社の損益の影響は、前連結会計年度の10億円の利益から、当連結会計年度は27億円の利益となりました。これは、石油化学会社の製品市況改善等により増益となったこと等によるものです。

 

D 税金等調整前当期純利益

 特別損益は、前連結会計年度に比べ39億円(67.8%)の費用(純額)減となりました。これは、投資有価証券の減損処理が前期比で43億円改善したことや、前連結会計年度に退職給付信託設定益が11億円発生したこと、及び固定資産売却益が5億円減少したこと等によるものです。

 結果として、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ46億円(35.7%)増益の176億円となりました。

 

E 法人税等

 法人税、住民税及び事業税は、税金等調整前当期純利益が増益となったこと等により、前連結会計年度に比べ44億円(62.9%)負担増の114億円となりました。しかし、法人税等調整額が前連結会計年度に比べ38億円負担減の26億円となったことにより、税金費用負担額は前連結会計年度に比べ6億円(7.6%)負担増の87億円となっております。なお、当連結会計年度における税効果会計適用後の当社グループの税負担率は、49.6%となります。

 

F 少数株主利益

 少数株主利益は、主としてアブダビ石油葛yびその子会社の少数株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の14億円に対し、当連結会計年度は7億円となりました。

 

G 当期純利益

 以上の結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ48億円(138.7%)増益の82億円となりました。1株当たりの当期純利益金額は、前連結会計年度の5.42円に対し12.95円となりました。なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は12.74円となっております。

 

(2)流動性および資金の源泉

@ 財政状態

 当連結会計年度末の連結財政状態と致しましては、総資産は1兆2,601億円となり、前連結会計年度末比134億円増加しております。これは、休日の影響(申告日)により当期末の揮発油税・石油税等の支払い350億円が翌連結会計年度にずれ込んだことで手元資金が増加したことや、売掛金・未収入金などの売掛債権が減少したためであります。

 負債は1兆304億円となり、前連結会計年度末比20億円増加しております。これは、総資産と同じく揮発油税・石油税等の支払いがずれ込んだことにより未払金等が増加した一方で、買掛金など仕入債務が減少したためであります。

 株主資本は2,048億円となり前連結会計年度末比112億円の増加となり、株主資本比率は16.3%となりました。

A キャッシュ・フロー

 当連結会計年度の連結キャッシュ・フローは、営業活動は前述同様、揮発油税・石油税等の支払いがずれ込んだことなどにより1,018億円となりました。投資活動は固定資産取得に伴う支出により△327億円となりました。財務活動は有利子負債の削減に努めたことなどにより△77億円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は前期末比607億円増の1,045億円となりました。

 

 なお、当企業集団のキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりであります。

 

平成12年3月期

平成13年3月期

平成14年3月期

平成15年3月期

平成16年3月期

株主資本比率

13.9%

13.5%

15.6%

15.5%

16.3%

時価ベースの株主資本比率

6.7%

10.7%

11.1%

8.2%

13.1%

債務償還年数

10.4年

7.2年

5.5年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

3.2倍

5.4倍

8.6倍

 (注)1 各指標は、以下の計算式によっております。

株主資本比率:株主資本/総資産

時価ベースの株主資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。