取り組みの考え方
コスモエネルギーグループは、排ガスや排水の規制値よりさらに厳しい管理値を定め、それを遵守することで、規制値超過の未然防止に努めています。廃棄物については自主目標を設定し、発生量を抑制するとともに再資源化を推進しています。
大気汚染防止
大気汚染を防止するために、製油所では硫黄分や窒素分の少ない燃料の使用や排煙脱硫装置や排煙脱硝装置、電気集じん機の導入を行い、大気汚染物質の発生を抑制しています。また、石油製品に含まれているVOC(揮発性有機化合物)の大気への排出を抑制するために浮き屋根式タンクを設置し、製品出荷時にはベーパー回収装置を導入しています。
3製油所の硫黄酸化物(SOx)
排出量
3製油所の窒素酸化物(NOx)
排出量
3製油所の有害汚染物質(ベンゼン)
排出量
※2014年度より坂出製油所が物流基地となったため、2013年度までは4製油所、2014年度からは3製油所を集計しています。COD負荷量、製油所産業廃棄物、製油所の水使用量・排水量のグラフも同様です。
水質汚濁防止
精製工程からの排水には油分、臭気物質(アンモニア、硫化水素等)、浮遊物質、有機物等が混入します。製油所では、臭水処理装置、油分離装置、凝集沈殿装置(浮遊物質の除去)および活性汚泥処理装置等を設置し、水質汚濁防止に努めています。
3製油所の化学的酸素要求量(COD)
負荷量
化学物質の管理
石油製品に含まれるベンゼン、トルエンや石油精製工程で使用する触媒に含まれるコバルトなど化学物質については、2019年度分もPRTR法に基づく排出量・移動量の届出を実施しました。
PRTR対象物質 | 単位 | 排出量 | 移動量 | 排出移動量 合計 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
大気 | 水域 | 土壌 | 合計 | ||||
亜鉛の水溶性化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
2,348 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
2,348 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
2,348 キログラム/年 |
2-アミノエタノール | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,960 キログラム/年 |
1,960 キログラム/年 |
石綿 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,740 キログラム/年 |
1,740 キログラム/年 |
エチルベンゼン | kg/年 | 3,715 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
3,715 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
3,715 キログラム/年 |
キシレン | kg/年 | 7,146 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
7,146 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
7,146 キログラム/年 |
クメン | kg/年 | 9 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
9 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
9 キログラム/年 |
クロム及び三価クロム化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
668 キログラム/年 |
668 キログラム/年 |
六価クロム化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
395 キログラム/年 |
395 キログラム/年 |
コバルト及びその化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
28 キログラム/年 |
28 キログラム/年 |
1,4-ジオキサン | kg/年 | 0 キログラム/年 |
390 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
390 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
390 キログラム/年 |
スチレン | kg/年 | 6,682 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
6,682 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
6,682 キログラム/年 |
セレン及びその化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
83 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
83 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
83 キログラム/年 |
ダイオキシン類 | mg-TEQ/年 | 0 キログラム/年 |
134 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
134 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
134 キログラム/年 |
銅水溶性塩(錯塩を除く。) | mg-TEQ/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
148 キログラム/年 |
148 キログラム/年 |
1,2,4-トリメチルベンゼン | kg/年 | 1,562 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,562 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,562 キログラム/年 |
1,3,5-トリメチルベンゼン | kg/年 | 359 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
359 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
359 キログラム/年 |
トルエン | kg/年 | 19,374 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
19,374 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
19,374 キログラム/年 |
ニッケル化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
91,903 キログラム/年 |
91,903 キログラム/年 |
ふっ化水素及びその水溶性塩 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
440 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
440 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
440 キログラム/年 |
ヘキサデシルトリメチルアンモニウム=クロリド | kg/年 | 0 キログラム/年 |
1,300 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,300 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
1,300 キログラム/年 |
ノルマル-ヘキサン | kg/年 | 32,002 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
32,002 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
32,002 キログラム/年 |
ベンゼン | kg/年 | 3,562 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
3,562 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
3,562 キログラム/年 |
ほう素化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
830 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
830 キログラム/年 |
3,560 キログラム/年 |
4,390 キログラム/年 |
マンガン及びその化合物 | kg/年 | 12 キログラム/年 |
1 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
13 キログラム/年 |
33,252 キログラム/年 |
33,265 キログラム/年 |
りん酸トリフェニル | kg/年 | 382 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
382 キログラム/年 |
382 キログラム/年 |
メタクリル酸 | kg/年 | 140 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
140 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
140 キログラム/年 |
メタクリル酸メチル | kg/年 | 6 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
6 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
6 キログラム/年 |
バナジウム化合物 | kg/年 | 0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
400,381 キログラム/年 |
400,381 キログラム/年 |
1-メチル-1-フェニルエチル=ヒドロペルオキシド | kg/年 | 18 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
18 キログラム/年 |
0 キログラム/年 |
18 キログラム/年 |
(注1) 上記のほか、塩化第ニ鉄、シクロヘキシルアミン、2,6-ジ-ターシャリ-ブチル-4-クレゾール、ジメチルジスルフィド、テトラクロロエチレン、ヒドラジン、マンガン及びその化合物は1,000キログラム/年以上の取り扱いがありますが、排出量および移動量はすべて0キログラム/年となっています。
(注2) 上記データには、四日市霞発電所分も含んでいます。
(注3) 千葉製油所ではPRTR法の特別要件施設(産業廃棄物焼却施設)を設置しているため、水質汚濁防止法の排水基準項目のうち30物質の排出量の届出を行っており、上記以外はすべて排出量を0キログラム/年として届出しています。
(注4) 製油所以外に坂出物流基地、函館物流基地、コスモ松山石油(株)、コスモ石油ルブリカンツ(株)、丸善石油化学(株)が報告対象となり届出をしております。
有害物質対応
ダイオキシン類の発生抑制
コスモ石油の製油所のうち、廃棄物処理施設(産業廃棄物焼却施設)を有する千葉製油所では施設の管理を徹底しております。なお「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正に伴い、廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報を当社HP及び千葉製油所にて公表しております。
PCBの保管管理
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、電気機器の絶縁油などとして使用されていましたが、その毒性が明らかになり、現在は製造や使用が禁止されています。製油所やサービスステーション(以下、SS)では、かつて使用していたPCB含有機器について、漏洩防止策を講じて保管し、法律にしたがい報告を行っています。さらに2027年までに義務付けられている無害化処理を早期に行うため、2005年から対象機器を処理事業者へ登録し、順次処理を進めております。
アスベストへの対応
2005年度に、コスモエネルギーグループが所有または賃借しているSSや製油所などの建物を対象に、アスベストの使用状況を調査したところ、露出した吹き付けアスベストを16ヵ所確認しましたが、2007年度までにすべて除去工事を完了しました。また、吹き付け以外のスレートなどの建材や製造設備にある保温材などの一部に、アスベストを含有しています。これらは成型品であり、通常の使用では、アスベスト粉じんの飛散はないと判断していますが、補修時に順次、非アスベスト製品に交換しています。そのほか、アスベスト含有製品の取り扱いについては、法律に基づいた対策を進めます。
VOCへの対応
VOC(揮発性有機化合物)は大気中で光化学オキシダントの原因物質になると考えられています。コスモ石油は石油業界全体で取り組みを開始した2000年度以前からVOC対策を進めており、2019年度のVOC排出量は総計で2,423トンでした。
2013年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|
排出量 (トン) |
2,675 | 2,597 | 2,496 | 2,395 | 2,297 | 2,423 ![]() |
廃棄物の削減
コスモ石油グループ(コスモ石油、コスモ松山石油、北斗興業)では、中期CSR計画において、2022年度グループ全体の最終処分率を、石油連盟における廃棄物抑制・リサイクル対策の目標値1%以下を上回る、0.3%以下と設定して、廃棄物の削減に継続して取り組んでいます。
2019年度のコスモ石油グループの廃棄物最終処分率は、霞発電所の最終処分量をゼロにした事や、千葉製油所での汚泥の再資源化を推進したことにより0.12%となり、昨年度の0.26%からさらに減少しました。
コスモ石油ルブリカンツでは、最終処分率の目標を1%以下として、廃棄物の削減に取り組んでいます。
コスモエンジニアリングでは2018年度より管理対象を「建設リサイクル推進計画2014(国土交通省)」の対象品目に絞ったうえで、最終処分率の目標値を15%未満から4%未満に下げて取り組みを進めています。尚、建設、請負工事の内容により建設系廃棄物の種類や発生量が変動しますので、最終処分率は比較的高くなります。
今後はコスモ石油グループおよびコスモエンジニアリングに対して廃棄物最終処分率の目標を設定し、廃棄物の削減に取り組みます。
目標 最終処分率 |
2019年度実績 最終処分率 |
||
---|---|---|---|
コスモ石油グループ※2 | 0.3%未満 | 0.12% | |
コスモ石油 | 0.3%未満 | 0.09% | |
コスモ松山石油 | 1%未満 | 0.07% | |
北斗興業 | 1%未満 | 0.57% | |
コスモ石油ルブリカンツ | 1%未満 | 0.52% | |
コスモエンジニアリング | 4%未満 | 9.11% |
※1一般廃棄物を含みません
※2コスモ石油、コスモ松山石油、北斗興業の各社を集計
3製油所廃棄物量の推移
3製油所廃棄物のフロー
2019年度
3製油所廃棄物発生量内訳
2019年度
3製油所廃棄物再資源化量内訳
2019年度
3製油所廃棄物最終処分量内訳
水リスク
当社事業と水ストレスについて
当グループは、WRI(World Resources Institute )の水リスクマッピングツール「AQUEDUCT」によれば、2020年8月現在、水ストレスの高い地域での操業は行っていません。
渇水リスク
コスモ石油の3製油所は、工業用水が比較的豊富な地域に立地しています。製油所単位では、取水制限となるリスクはありますが、経営に影響があるリスクは小さいと考えています。各製油所では、契約使用量の範囲を使用量の目安としています。
水量過多のリスク
コスモ石油製油所では、台風・ゲリラ豪雨等における排水のリスク評価を行い、急激な豪雨に耐えうる排水機能を維持できるよう、設備の補修を計画的に行っています。津波のリスクについても、リスク評価を行い、主要な設備に問題がないことを確認しております。また、津波の想定値に合わせ、護岸桟橋の強化を進めています。
取水量、排水量、水使用量
当グループの3製油所・5工場※1の過去5年間の取水量、排水量、水使用量は下記となります。
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019![]() |
|
---|---|---|---|---|---|
工業用水 | 38,634 | 57,390 | 60,762 | 61,983 | 58,220 |
海水 | 393,322 | 418,428 | 428,054 | 404,799 | 416,833 |
井戸水 | 208 | 282 | 256 | 338 | 326 |
上水道 | 138 | 151 | 164 | 153 | 158 |
川からの取水 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
計 | 432,303 | 476,251 | 489,237 | 467,274 | 475,537 |
千t
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019![]() |
|
---|---|---|---|---|---|
海水 | 404,127 | 432,421 | 439,274 | 424,022 | 450,387 |
河川 | 942 | 968 | 938 | 990 | 972 |
下水 | 27 | 25 | 24 | 26 | 23 |
排水量計 | 405,097 | 433,415 | 440,236 | 425,037 | 451,382 |
千t
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019![]() |
|
---|---|---|---|---|---|
27,206 | 42,836 | 49,001 | 42,236 | 24,155 |
千t
※1 コスモ石油株式会社の千葉製油所、四日市製油所、霞発電所及び堺製油所、並びにコスモ石油ルブリカンツ株式会社の大阪工場及び下津工場、コスモ松山石油株式会社、丸善石油化学株式会社の千葉工場及び四日市工場を指します。
※2 水使用量=取水量‐排水量 として算出しています
コスモエネルギーグループの製油所・工場等では、冷却用を中心に洗浄用、ボイラー給水用などに、多量の水を使用しています。
各製油所・工場では、水の回収・再利用など効率的な水利用に取り組んでいます。
排水対策(排水量・水質汚濁防止)
コスモエネルギーグループの製油所・工場で使用する水は、海水は冷却水として使用後、海へ放流し、洗浄用等事業プロセスで使用した水は、規制値より厳しい管理値を定めて適切に処理し、環境負荷を最小化して排出しています。排水の規制値は日量で定められており、万が一規制値を超過した場合は、行政へ報告をするとともに、速やかに規制値を下回るよう対策を講じています。
環境関連分野での罰金・課徴金
2018年度において、環境法に関する法的義務/規則の違反に関する罰金はありませんでした。